古時計取説
古時計の扱い方
このページでは当店で機械式の振り子(ボンボン)時計をお買い上げ頂いた方へ向けて、
時計の扱い方について書き記します。
内容は一般的なお話となり、機種により若干の違いがありますので、
何か気になる点があれば個別にお問い合わせください。
早速ですが、古時計の各部分の呼び名からご説明します。
正面から見ると、木製のボディが上下2つのパートに分かれていて、
上部が文字盤、下部に振り子が動く振り子室があります。
文字盤の中央付近には、ゼンマイを巻くための巻穴も2つありますね。
次は一寸分かりずらいのですが、時計内部を下から覘いたところです。
中央に伸びている針金が、振り子をぶら下げる振り竿になります。
上部左右にある丸い形のものはゼンマイですね。
背面の写真ですが、ここは壁掛け用の吊り下げフックがボディ上部に見えます。
機種によっては上下についているタイプもありますね。(この方が運用時にズレにくい)
基本的な取り扱いですが、適切な本体の設置と振り子の取り付けがされていれば、
文字盤上にある左右の巻穴でゼンマイを巻いて、振り子を軽く揺らしてあげれば
あとはゼンマイが解けるまで勝手に動いてくれます。
とは言っても古時計はとても繊細な子です。
ちょっとした事で動かなかったりしますので、もう少し設置の流れをご説明しますと・・
- 梱包されている時計を取り出し各部品を確認(本体、振り子、巻き鍵)
- 本体のみで設置場所を確認して決まったら釘やフックなどを壁に取り付け
- 本体を壁に取り付け垂直水平を確認(水準器を使うとベスト〜スマホのアプリもありますね)
- 振り子を振り竿に取り付け
- ゼンマイを巻く(巻き過ぎに注意!)
- 時間を文字盤の長針を回して時間を合わせる
- 振り子を軽く揺らす
となります。
そんなに難しくはないですよね!
ちなみに、設置の際、特にご注意頂きたいのが振り竿の扱いです。
振り竿とは時計の機械本体から振り子をぶら下げる針金のコトで、ここは傷みやすい1つのポイントです。
開梱する際や、振り子を下げる際にこの振り竿を強く引っ張ったり捻ったりしないでください。
ここが一度傷んでしまうと、時計が動かなくなり修理が必要です。
話を戻しまして、
最初の設置後ですが、先ず振り子のコチコチが左右均等に動いているか確認してください。
時計の状態にもよりますが、基本的に左右均等に動いているのがベストで、
動いていない場合は時計本体を若干傾けると解消する場合があります。
これは時計内部の機械の癖や設置環境、水準器の誤差など複数の要因があります。
最終的にはちゃんと長時間継続的に動いていれば問題ないので、
暫くすると止まっちゃうな?という時にも試してみてくださいね。
無事に設置が終わって動き出してから、次に気になるのが時間の精度だと思います。
これは振り子の錘を上下に動かすコトで調整できます。
錘を動かす際は、錘の下のネジを回します。
ネジは、
上に回すと>時間が早く進む
下に回すと>時間が遅く進む
となり、ネジの1回転分で大体1日1分の調整が出来ます。
ちなみに、古いゼンマイ式の時計はゼンマイの巻き加減で時間の精度にブレが出ます。
振子が適切に調整されていれば、最初の数日は安定していますが、段々と遅れていきます。
これはゼンマイの機構上仕方がないのですが、一般的な1週間巻きの時計を1週間動かすと5〜10分程度遅れていきます。
精度を気にされる方は、マメ(2〜3日毎)にゼンマイを巻いてあげればブレも軽減されます。
あと、ゼンマイを巻く回数ですが、1週間巻き(8DAYとか文字盤に書かれている)のタイプで
大体10回です。
巻く回数はゼンマイの解けかた次第(時計が止まった状態)でも変わりますので、使いながら試してみてください。
まだ巻けるかどうかの基準は、感覚的に慣れないと分かりずらいのですが、
巻き鍵を回す際にバネの応力が感じられず固まっていたら巻ききっているので要注意です。
それ以上はくれぐれも回さないでください。ゼンマイを破損する恐れがあります。
今日はここまでです。
不明な点は遠慮なくメールでお問い合わせくださいね。
今後もこのページやブログで細かな内容は加筆していきます!